ここまでリアルに再現できるの!?3Dスキャナーを使った取り込みから3Dデータ完成までの流れを紹介します
実物をもとに3Dデータとして取り込むことができる3Dスキャナー。現在では製造業の品質管理やホビー用にとどまらずあらゆる業種で活用されています。
そこで今回は、よくある3Dスキャンのこんな↓疑問にお答えするため、実際の3Dスキャンの作業シーンや3Dデータを完成させるまでの流れをご紹介しながら解説していきたいと思います。
- どんなものが撮れるの?
- どのくらいの精度で撮れるの?
- 実際に3Dスキャナーで取り込んだデータはどんな感じ?
本記事で使用する3Dスキャナー
「Artec Eva」という3Dスキャナーを使います。弊社の3Dスキャンサービスでも利用しているプロ仕様3Dのスキャナーです。テクスチャ情報をつけて、正確に、高解像でスキャンできるのが特長です。
ちなみに、Artec Evaは中型サイズのオブジェクトに最も適しています。3Dスキャナーの種類によって得意なことが違いますので、目的にあったスキャナー選びも大切です。
実際に3Dスキャナーで作成した3Dデータをご覧ください
早速ですが、実際に3Dスキャナー Artec Evaで作成した3Dデータがこちらです。
お皿を3Dスキャナーでスキャンし編集した3Dデータの画像です。360°すべての角度でしっかりスキャンできています。
こちらは実物のお皿。上の3Dデータでは細かいテクスチャまでしっかり再現できているのがわかりますね。
続いて、靴を撮影してみました。
これ!弊社スタッフが実際に履いている靴です。形状はもちろん、使用感までしっかり表現されています。
靴の中がうまく再現できていないのは、LEDの光が届かないためです。3Dスキャナーは光を当ててその反射をもとにデータを作るので、光が届かない部分や、透明なものなどはうまく撮影できないことがあります。
実際の3Dスキャン作業シーンを紹介!
さて、実際にどんなふうに3Dスキャンを行なっているのか、気になりますよね?というわけで、ここからは弊社で実際に行なった作業の様子をご紹介したいと思います。
今回はこちらの「お城の置物」のスキャンにトライしてみます。
撮影しやすくするため、台(緑色のもの)の上に対象物を置いています。より簡単に、正確にスキャンするためのひと工夫です。
3Dスキャナーとパソコンのセッティングをしたらスキャン開始です。ちゃんと撮れているか、パソコンでリアルタイムに確認しながら、360°すべての角度からスキャンしていきます。
スキャン中はLED光がピカピカと光っています。このLED光が届かないような部分はスキャンができません。先ほどの靴の中はこのLED光が届かない場所だったんですね。
こちらも使う3Dスキャナーは「Artec Eva」です。Artec Evaは中型サイズのオブジェクトを最も得意としています。3Dスキャナーの種類によって得手不得手がありますので、用途に応じて3Dスキャナーを選ぶことも重要です。
取り込み〜3Dデータ完成までの編集の流れ
さて、撮影が終わったら、パソコンで3Dデータを編集して仕上げを行います。
スキャン直後のデータはそれぞれの角度から撮影したデータがばらばらの状態になっているので、位置を合わせて1つに結合します。
周りに余計に映り込んでしまった不要な箇所を削除していきます。撮影しやすくするために使った緑色の台座なども消していきます。
ここで編集しているデータは、無数の点の集合体からなる「点群データ」でできています。
レーザーを照射して対象物までの距離と位置データを取得した「点群データ」 そのままでは重すぎるので、面の「メッシュデータ」に変換します。色が消えてしまったように見えますが、色のデータ「テクスチャー」ファイルは、ちゃんと別ファイルに保存されています。
変換したメッシュデータを確認し、撮りきれなかった穴や面がある場合は、補正し穴を埋めて形状を整えていきます。
最後に、色のデータ「テクスチャー 」 ファイル を貼り付けます。 これでカラーの3Dデータが完成です。
完成した3Dデータです↓。マウスでくるくる動かしてみてください。
ブログ埋め込み用データのため実際の3Dデータとは若干解像度や色味が違って見えますが、こんな雰囲気のデータが作成できます。
今後いろんな分野で期待されている 3Dスキャナー。 皆様のアイデアで3Dスキャナーを大いに活用していきましょう。
3Dスキャンのことならお気軽にご相談ください!
弊社3Dスキャニングサービスでは、 スキャニングしたデータをもとに、 stl、OBJ、VRML などのデータの他に、CADデータでの納品も行っております。
また、撮影したデータを、FDM方式3Dプリンタ「L-DEVO」や、光造形機「Form3」で造形したいなどのご要望も可能でございます。部品などの3Dモデルを作成したい場合は、3Dモデリングサービスを利用した方が良い場合もございます。ぜひ1度ご相談ください。
3Dスキャニングサービス・3Dモデリングサービスにご興味がある方は、お気軽にお問合せください。