3Dプリンター素材PP(ポリプロピレン)を使用して試作品を印刷してみました。

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e.watanabe

    3Dプリンターで造形依頼の増えているPP(ポリプロピレン)!産業用3Dプリンター「FUNMAT PRO 410」を使用して造形してみました。

    PP(ポリプロピレン)とは日用品の素材として使用されてる代表的なプラスチックです。

    PP(ポリプロピレン)とは、日用品など、最も多く使用されている代表的なプラスチック素材です。一般家庭で幅広く使用される製品としては、ゴミ箱やバケツ、食品用タッパ―、プランター、おもちゃ、スポーツ用品など身近なものにも多数使用されています。

    PP(ポリプロピレン)が良く使用されるのは、樹脂の中で最も比重が軽く加工性が高い上に優れた強度を持っているためです。

    そんな人気の材料を3Dプリンターで手軽に試作品を作ってみます。今回は、3Dプリンター素材PP(ポリプロピレン)の「北陸エンジニアプラスティック製 PP」を使用します。安定した印刷ができると好評を得ています。

    3Dプリンターでの造形のポイント

    1.造形前に材料を乾燥させましょう。

    材料は、使用する前に乾燥してから印刷すると造形時の失敗が少なくなります。これは、PPに限らず吸湿した材料を使用し印刷すると、糸引きやすが出来たり造形不良の原因になります。

    「北陸エンジニアプラスティック製 PP」は、60℃で12時間乾燥させましょう。乾燥時間は、各メーカーの材料によって変わりますのご注意ください。

    参考ブログ:梅雨時期におこりやすい、3Dプリンターでの印刷不具合は湿気によるフィラメントの劣化が原因だった!

    「FUNMAT PRO 410」は、フィラメントを湿度から守る、防湿フィラメントストレージを搭載しているので、造形中の吸湿の心配はありません。

    2.造形テーブルにPPテープを貼りましょう。


    PPを造形するときは、PPテープを造形テーブルに貼ります。PPテープ以外には貼りつかないので造形できません。PPテープは、どこにでも売っている梱包用のOPPテープで大丈夫です。厚手を使用する事をお勧めします。

    弊社では、重梱包用OPPテープ幅72mmを使用しています。厚さ0.09mmです。通常の幅48mmのテープと比べると広くて貼りやすく便利です。

    OPPテープを貼る時は隙間ができないように、また空気が入らないようにしましょう。慣れれば簡単です。これで準備はOKです。

    産業用3Dプリンター「FUNMAT PRO 410」で印刷を開始します。

    産業用3Dプリンター「FUNMAT PRO 410」で印刷します。このプリンターはデュアルヘッドプリンターですので、材料とサポート材など2つの材料を使用して印刷する事が可能です。

    今回の形状はゴミ箱ですので、サポート材を使用しません。サポート材が必要な形状でもPP(ポリプロピレン)の特性上サポート材は使用できませんので、1つのノズルだけで印刷します。

    「FUNMAT PRO 410」は、外から印刷の様子をカメラで見る事ができます。

    「FUNMAT PRO 410」は、印刷の様子をカメラで見る事ができます。

    試作品のごみ箱が完成しました。

    大きさは、204mm×245mm 板厚1mmのごみ箱が完成いたしました。積層ピッチ0.2mmで印刷して、印刷時間は約23時間です。PPは、反りやすく造形が難しいのですが、このような円の場合は大きくても反りが少なくきれいに造形できます。

    FDM方式3Dプリンターで造形したPPの質感

    見た目はFDM方式3Dプリンターならではの質感です。PPを使用していますので艶やかで、持った感じは軽くペコっと柔らかいです。板厚が薄い形状のものは、成形品のPPより柔らかい仕上がりになります。

    また、BASF社のガラス繊維が入ったPPフィラメント「Ultrafuse PP-GF30」も弊社で販売しています。ガラス繊維が30%配合されているため、反りが少なく材料送りもスムーズです。トラブルが少なく今までより安定して造形が可能になりました。ご興味のある方はぜひお問合せください。

    お問い合わせはこちらから

    弊社では3Dプリンター全般のサービスを行っております。試作品などの造形サービスや、3Dプリンターの材料選びからご購入まで、皆様のご相談を承っております。

    また、産業用3Dプリンター「FUNMAT PRO 410」をはじめ、FDM方式3Dプリンター「L-DEVO」光造形機「Form 3」など、各種3Dプリンターの実機の見学してみたい方、3D造形にご興味のある方、材料を検討されていらっしゃる方など、皆様のご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。