粘土細工の火焔土器製作過程に3Dプリンターを活用

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Takashi Fujisaki

    このたび、火焔土器・土偶などの粘土細工を作成するための「型」を、3Dプリンターを活用して製作したい、という内容のお問い合わせをいただきました。

    ご依頼いただいたのは、再生擬木やコンクリート擬木などを手がける、新潟擬木株式会社様。関連企業のくるみ工房様にて粘土細工の製作などを行なっており、今回のご依頼に至ったという経緯です。

    今回は、ご依頼から実際のできあがりまでの一連の製作の流れをご紹介します。

    具体的な製作手順は以下のような流れです。

    1. まずは土器や土偶を3Dプリンターで造形する。
    2. できた3Dプリントの造形物をもとに樹脂で型を作り、その型を使って実際に粘土で形を作って焼き、土器や土偶を作成したい
    3. うまくいくようなら、自分たちで3Dプリンターを活用していろんな粘土細工作品を作りたい

    こういった相談を受け、弊社もご協力させていただきました。

    3Dプリンターを活用し、粘土細工の火焔土器ができるまで

    それでは今回実際に行った、3Dプリンターを活用して粘土細工の火焔土器ができるまでの一連の流れをご紹介します。

    1. 公開されているデータで、型用の火焔土器を3Dプリント

    最初に、型を作るための元となる土器を3Dプリントしました。土器の3Dデータは、「縄文オープンソースプロジェクト」のものを使用させていただきました。

    縄文オープンソースプロジェクトとは、縄文文化財をオープンソース化し、誰でも自由に文化財の造形を活用することができる環境を生み出すための、新潟県長岡市および縄文文化発信サポーターズにより推進されているプロジェクトです。

    材料はPolymaker社「PolyLite PLA」を使用しました。植物由来で環境にやさしい3Dプリント用のプラスチック素材です。

    3Dプリント出力した、型用の火焔土器

    まずは3Dプリンターで造形したプラスチックの火焔土器ができました。

    2. 3Dプリント土器をもとに「型」を作り、粘土細工の火焔土器を作る

    この3Dプリント土器をもとに、お客様が実際に作られた粘土細工の土器がこちらです。

    3Dプリント土器を活用して、実際に粘土を焼いて作った火焔土器

    3Dプリント土器を使って樹脂で「型」を作り、今度はその型に粘土を入れて形を作ります。それを窯で焼き、ペイントなどを施して最終的な粘土細工の火焔土器が完成します。

    3Dプリント出力した火焔土器(左)と 、これを活用して実際に粘土で焼いて作った火焔土器(右)

    作品は実際にご購入いただけます

    本記事でご紹介した火焔土器やその他土偶などの粘土細工作品は、リアルレプリカ販売縄文ギャラリー「JOMON」にて実際にご購入いただけます。

    またイベントへのレンタルや講演なども行っているそうです。ぜひご覧ください。

    お客様自身で3Dプリンターを活用し、さまざまな粘土細工を作られています

    実際に作られたほかの土器作品

    今回は、型用の土器を作る部分で弊社の3Dプリントサービスをご提供させていただいたきましたが、以降はお客様ご自身で作っていきたいと、3Dプリンター「Creality Sermoon D1」を購入いただきました。

    3Dプリンター 「Creality Sermoo D1」 の特徴

    「Creality 3D Sermoon D1」

    Creality Sermoon D1の主な特長は以下のとおりです。

    • 低価格・低コスト
    • 初心者でも簡単に造形可能
    • さまざまな年齢層が訪れるスペースなどの公共機関や教育機関などにおすすめ

    「いきなり高額な業務用3Dプリンターを導入するのは難しい」「コスト重視で手軽に導入したい」といった際の、「3Dプリンター入門」としてはピッタリの一台です。

    透明なデザインでアルミ合金製のフレームに透明な2重扉でスタイリッシュなデザインのFDM方式の3Dプリンターです。プリントエリアも、280 x 260 x 310 mmと比較的大きく、ノズル温度も最大250℃まで上昇します。10万円以下という価格帯の割にしっかりとしたスペックで大変好評をいただいています。

    「Creality Sermoon D1」の詳しい仕様 はこちらをご覧ください。

    ほかにもある!主要FDM 3Dプリンターを2機種ご紹介します

    弊社ではCreality Sermoon D1以外にも業務用FDM 3Dプリンターを各種取り扱っています。なかでも人気のFDM 3Dプリンター2機種をご紹介します。

    L-DEVOシリーズ

    L-DEVO M4040TP

    FDM 3Dプリンターの定番、L-DEVOシリーズ。ABS、PC、FLEXなどさまざまな材料で、精度の高い造形が可能です。

    L-DEVOで3Dプリントした土偶(サポート材がついた状態)

    L-DEVOシリーズの詳細を見る

    FUNMATシリーズ

    FUNMAT PRO 410

    FDM 3DプリンターFUNMATシリーズは、スーパーエンプラなどにも対応する産業用のハイエンドなプリンターです。サポート材専用フィラメントを使うことで、入り組んだ形状でもサポートを取りやすくきれいに造形できます。

    FUNMAT x サポート材専用フィラメントで3Dプリントした土偶。サポートを簡単に取ることができる

    FUNMATシリーズの詳細を見る

    3Dプリントのことなら何でもご相談ください

    • 試作品を造形したい
    • 小ロット製品を作成したい
    • 造形するためのデータが作れない
    • 材料の選び方がわからない
    • 3Dプリンター本体を購入したい
    • 3Dプリンターの実機を見てみたい

    弊社では、3Dプリント造形から3Dプリンター本体の販売まで、3Dプリント全般に関するサービスを行っています。

    3Dプリンター本体は、産業用から個人向けまでさまざまな機種を取り扱っています。

    3Dプリンター取扱機種の一例

    • 産業用3Dプリンター「FUNMAT」シリーズ
    • FDM方式「L-DEVO」シリーズ
    • 光造形 (LFS)「Form 3」シリーズ
    • 光造形 (DLP)「RAYSHAPE」シリーズ

    3Dプリントをこれから始めたい方も、造形でお困りの方も、3Dプリンター本体の購入を検討している方も、ぜひお気軽にお問い合わせください。