3Dプリンタで重機の模型を作りました。
先日、3Dプリントによる重機とトンネルの模型製作のご依頼がありました。その時の製作の様子、工夫した点などを事例としてご紹介します。
はじめに
この記事に登場する模型はすべて、PCL協会 様の提供によるものです。
今回製作させていただいた模型は「PCL工法」の架設模型です。「PCL工法」とは、PCL版(プレキャストコンクリートライニングパネル)を用いたトンネルの内巻補強・補修工法です。
完成写真
まずはできあがり写真から。こちらは重機の模型。
こちらはトンネルと道路の模型です。PCL工法の架設模型ということで、トンネルも実際の構造同様のパーツ形状となっていて、これらを組み合わせて実際の施工の様子を再現できるようになっています。
市販パーツと3Dプリントパーツの組み合わせ
重機は、市販の模型パーツと弊社の3Dプリンタで作ったパーツを組み合わせています。細かく複雑な形状のパーツなどは、市販パーツで補ったほうが低コストで済む場合もあります。
市販の重機模型にはない形状のパーツはすべて3Dプリントで造形しました。素材は強度の高いPolyMAX PLAを採用しています。
組み立て式で向きやアーム角度も自由に
ボディの向きやアームの角度などを動かせる組み立て式となっています。
シールでリアリティを演出!
主に展示会への出展でお使いになる模型ということでしたので、よりリアルな雰囲気を出すためシールを作って貼ってみました。道路には光沢のないマットなシールを使うといった小さな工夫もしています。
樹脂の造形物は、通常使った材料の色単色となりますが、用途によってシールや塗装で彩りを与えることもできます。
専用のキャリングケースも3Dプリントで一工夫!
展示会などで持ち運ぶ機会が多いので、専用のキャリングケースが作れないかとご要望をいただきました。そこで、パーツがぴったり収まり中で動かないように保護するための専用の収納ボックス(青)や仕切板(手前のグレー)などを3Dプリンタで造形し、ホームセンターで調達したケースと組み合わせて、オリジナルキャリングケースを作りました。
この青い収納ボックスや仕切版は、弊社CADスタッフがSOLIDWORKSで設計してくれました。素材はH-PLAを使っています。
おわりに
今回のPCL工法の架設模型を製作するにあたり、造形コストや組み立ての仕組み、展示時の見栄えなど、さまざまな課題をクリアする必要がありました。
こういった問題を、ひとつひとつお客様と入念に打ち合わせをしながら、細部まで満足いただける製作を私たちは日々心がけております。
製作メモ
重機のパーツ: L-DEVO, PolyMAX
トンネル, 道路: L-DEVO, H-PLA
収納ボックス, 仕切り板: L-DEVO, H-PLA