3Dプリンターを活用して約400年前の頭蓋骨を復元
3Dプリンターを活用して、約400年前の長岡藩主牧野家の頭蓋骨を復元し、造形品から立体的に複顔するプロジェクトが進んでいます。歴史をたどり、お殿様はどんなお顔をしていたのでしょうか?
長岡藩主牧野家とは?
このプロジェクトを手掛けていらっしゃいます、新潟医療福祉大学 奈良貴史教授より、興味深いお話をお伺いしました。
約400年前の頭蓋骨を複顔するにあたり、歴代のお殿様と正室の頭がほぼ残っていたのは、長岡藩主牧野家だけだったそうで、牧野家の全面協力によりこのプロジェクトがスタートしたそうです。長岡藩主牧野家は、江戸時代に現在の新潟県長岡市を治めていました。戦国時代から日ごろの備えの大切さを説く「常在戦場」を家訓に掲げたことで知られる一族です。
人類史を解明する研究だけではなく、殿様顔をわかりやすく理解してもらうために、頭蓋レプリカと復顔を並べて展示する、一般の方への公開も目指していらっしゃいます。
長岡市立科学博物館にある長岡藩主 牧野家史料館で、現在に伝わるゆかりの資料を通して長岡藩主牧野家の歴史を紹介しているそうです。ぜひ一度足を運んでみてください。
頭蓋骨を3Dデータにするまで
3Dプリンターで造形するためには、3Dデータが必要です。今回の長岡藩主牧野家の頭蓋骨データをSTLデータにするまでには、まずは、実際の頭蓋骨を発掘するところから始まりました。
東京都港区の墓地を1982年に長岡市へ移転する時に頭蓋骨を発掘しました。それを復顔に適した状態に修復したそうです。その後CTスキャンで取得した頭蓋骨データを張り合わせ3Dデータにしました。さらに弊社にてデータの穴埋めなどをして、3Dプリンターで造形できるSTLデータが完成いたしました。
3Dプリンターで頭蓋骨を印刷する。
3Dプリンターで印刷できるデータの準備ができたので、次は材料を選びます。今回は衝撃強度のある材料をご希望でしたので、一般的な3Dプリンターの材料のPLAの中からPolymaker社の、「PolyMAX PLA」を選択しました。「PolyMAX PLA」は、通常のPLAに比べて最大9倍の耐衝撃性を持ち、ABSよりも全体的な機械的特性が優れています。
FDM方式3Dプリンター「L-DEVO」で造形する場合、「ABS」は耐熱がある反面、反りやすく大きな造形には向いていません。耐熱が特に必要ない場合は、「PolyMAX PLA」をお勧めします。大きな造形物も美しく安定した造形ができます。
「ABS」で大きな造形物をご希望の場合は、弊社では「FUNMAT HT」「FUNMAT PRO 410」で造形可能です。形状によりますので、ぜひ一度ご相談ください。
こうして約400年前の歴代の頭蓋骨が、現代の3Dプリンターで復元されたのです。
この後、日本人の顔の肉付きに関する資料をもとに、筋肉や脂肪、皮膚などを粘土で再現するそうです。今後は一般公開する予定もあるようです。どんなお顔が見られるのかとても楽しみですね。
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弊社では3Dプリンター全般のサービスを行っております。試作品などの造形サービスや、3Dプリンターの材料選びからご購入まで、皆様のご相談を承っております。
また、産業用3Dプリンター「FUNMAT PRO 410」をはじめ、FDM方式3Dプリンター「L-DEVO」光造形機「Form 3」など、各種3Dプリンターの実機の見学してみたい方、3D造形にご興味のある方、材料を検討されていらっしゃる方など、皆様のご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。